The Method of Urban Safety Analysis and Environmental Design

house-b.gif (14947 バイト)Prospect

ここでは都市デザインという側面から見たMUSEという手法の現代における位置付けと,実用化のビジョン・役割について考える.

1960年代から70年代にかけて,現実の都市計画の提案あるいは近代都市の理想としてのユートピア的都市構想が多くの建築家や都市計画家により提案された.そのような背景の中で磯崎新は,パリなどのバロック的都市計画から記号の集積として表現される昨今の都市に至る「都市デザイン」の概念の変遷を次のように述べている.

T 実体論的段階(実在空間⇒与件・提案):
都市を物的存在そのものと考え,都市計画はそれを物理的に美しく仕上げる手法であるという段階.パリ,ワシントンDCの都市計画等.

U 機能論的段階(ダイアグラム空間⇒機能配分計画):
都市を「住む,働く,憩う,巡る」という4つの機能の配置,図式的な空間としてとらえる段階.用途地域の設定等.

V 構造論的段階(パターン空間⇒組織化計画):
都市をその部分と全体が常に変化し生長し新陳代謝しつづけているものとし,人間と物の活動パターンを具体的な形態に反映しようとしている段階.丹下健三研究室の東京計画,SmithsonのCluster City等.

W 象徴論的段階(モデル空間⇒仮説操作計画:方法体系):
都市を知覚される対象(シンボルの集合)とみなし,それらを操作し組み立ててから,ものそのものへ還元する方法をとる段階.都市はシンボルの分布濃度となる.都市記号論,GISを用いた解析等.

高度情報化された現代において,都市は人々により「W 象徴論的」なものとして認識されていると思われる.Craneは60年代に巨大で複雑な都市における全体認識の必要性を説き,目に見えないものを見えるようにする新しいアーバン・デザインが必要だと言っている.この考え方は今にして思えばコンピュータによるシミュレーションによる都市解析の手法であろう.しかしながら当時の技術で,それを行うことは難しかった.それから40年の年月を経て,情報技術は進化し,空間データ基盤も整備されてきている.60年代に提唱された都市解析手法が可能な時代になったのである.フラクタルやカオス理論がコンピュータのシミュレーション技術により初めて可能になったように,これらの技術をMUSEに適用することにより,初めて可能になる都市解析・設計手法があるのではないだろうか(図1).今後も更なる発展が見込まれる各種情報技術とこのMUSEの手法を,建物被害関数や建物倒壊危険度などに適用することにより,より効果的な防災対策が期待できると思われる.

linkage.jpg (142090 バイト)
図1 情報技術とMUSEの連携イメージ

 

図1に示したような情報技術とMUSEの連動した都市生活像を具体化する全体的な体系をMUSEシステムと呼ぶことにする.MUSEシステムは,空間データの分類法とその定義に関する「意味論(Semantics)」,空間データと時間・場所性・社会システムとの関係性に関する「統辞論(Syntactics)」,そしてそれらの情報と実際の社会生活をする人間との関係性に関する「実用論(Pragmatics)」という3つの段階に分かれる(図2).

process.jpg (150542 バイト)
図2 MUSEシステム実現のためのプロセス

 

musebtn.gif (126 バイト) 00-Welcome to the MUSE System